PCゲーマーの皆さん、あなたのGeForceはゲーム専用機になっていませんか? もしそうなら、とんでもなくもったいないことをしているかもしれません。
NVIDIA GeForceは、単にゲームを動かすだけでなく、あなたのPCライフそのものをアップグレードする強力なツールです。
動画編集の爆速化から、AIを活用した便利な機能、そして普段のデスクトップ体験まで、ゲーマーにも嬉しい「ゲーム以外の活用術」が盛りだくさん。この記事を読んで、あなたのGeForceの隠れたポテンシャルを最大限に引き出しましょう!
今回はアニメや映画を鑑賞するときに使いたい、知らないと損!な機能設定を紹介していきます。
【使えるグラボ】GeForce RTX 20シリーズ以降(RTX 30/40シリーズでは、より高品質な処理が可能です)
はじめになぜGeForceのグラボがゲーム以外にも優秀なのかという解説をしておきましょう。
ゲーマーなら誰もが知るNVIDIAの「GeForce」。しかし、その真価は高画質なゲーム体験だけにとどまりません。GeForceの心臓部であるGPUが持つ「並列処理能力」こそが、あなたのPCを万能マシンへと変貌させる力の源泉です。
「一人で解く秀才」と「大勢で片付けるプロ集団」
まず、PCの頭脳であるCPUとGPUの違いをイメージしてみましょう。CPUが「複雑な問題を順番に解いていく一人の秀才」だとすれば、GPUは「単純な作業を何千人もの大勢で一斉に片付けるプロ集団」です。ゲームでは、画面を構成する無数のピクセル(点)の色を同時に計算するために、このプロ集団が大活躍します。
この「一斉に片付ける力」が、実はゲーム以外の分野で革命を起こしているのです。
AI開発を加速させる「Tensorコア」
近年話題の画像生成AIや対話型AIは、まさにGPUの独壇場です。AIが賢くなるためには、何百万ものお手本データから特徴を学ぶ必要がありますが、これはGPUの並列処理が最も得意とするところです。
さらに、近年のGeForce RTXシリーズには「Tensorコア」という、AIの計算だけに特化した“超エリート部隊”が搭載されています。これは行列演算というAIが得意な計算を超高速で実行するための専用回路です。このTensorコアのおかげで、AIの学習や推論の速度は飛躍的に向上し、GeForceはAI開発に欠かせないツールとしての地位を確立しました。
これの関係でで批判されてたりもするんだけどね…
クリエイターを解放する魔法の道具
動画編集や3DCG制作といったクリエイティブな作業も、GPUのパワーで劇的に変わります。時間のかかる動画の書き出し(エンコード)や、3Dモデルのリアルな質感を表現するレンダリングといった膨大な計算も、GPUのプロ集団が分担して行うことで、待ち時間を劇的に短縮。CPUだけではカクついていたプレビューも滑らかになり、試行錯誤の時間を大幅に増やすことができます。
NVIDIA最強の秘密「CUDA」
では、なぜこれほど多くの専門ソフトウェアがGeForceの力を活用できるのでしょうか。その答えが、NVIDIAが長年提供し続けてきた「CUDA」というプラットフォームです。
これは、GPUの並列処理能力を、ゲーム以外の様々な計算に応用するための「魔法の設計図」のようなもの。多くの開発者がこのCUDAを基準にソフトウェアを開発しているため、「GPU対応ソフト=事実上GeForce対応」という強力なエコシステムが生まれました。このCUDAの存在こそが、NVIDIAの揺るぎない強みとなっているのです。
つまりGeForceは、単なるゲーム用パーツではありません。ゲームで培った圧倒的な並列処理能力を、CUDAという強力な橋渡し役とTensorコアという専門部隊によって、AIやクリエイティブの世界に広げているのです。あなたのPCをアイデアを即座に形にする「高速クリエイティブ・ステーション」へ変える、その可能性を秘めたパートナーと言えるでしょう。
AMDのGPUがゲームしかしないならおすすめとされているのは、この辺の最適化がAMDは少し足りてないからなんだよね…
「でも、自分はクリエイターじゃないし…」と思ったあなた、お待ちください。GeForceのAI技術は、普段のPC利用や、過去のゲーム 資産を蘇らせる上でも驚くべき効果を発揮します。
今回は私の最近の主な使い方である、映画やアニメの視聴時に使える機能を紹介していきます。
全ての動画を高画質化!「RTX Video Super Resolution (VSR)」
YouTubeで昔のゲームのプレイ動画や、少し画質の粗い配信アーカイブを見ること、ありますよね?そんな時、「RTX VSR」を有効にすれば、AIがリアルタイムで映像を解析し、驚くほどシャープで高精細な映像に変換してくれます。
まるで魔法のように、1080pの動画が4Kクオリティに。特別なソフトは不要。ブラウザで再生するだけで、眠っていたお気に入りの動画が、最新の映像として蘇ります。
またAmazonプライムやNetflixなどの配信サービスでもブラウザ上なら適応可能!!
本来追加課金が必要(アマプラの場合Fire TV Stick 4Kが必要)な4K画質を、課金無しで視聴可能になります。
ちなみにVSRの方は4Kに対応してないモニターでも使用できます!!
色彩革命!SDRコンテンツを強制HDR化する「RTX HDR」
ゲーマーならHDR(ハイダイナミックレンジ)の威力はご存知のはず。光と闇のコントラストが、ゲームへの没入感を劇的に高めてくれます。しかし、HDRに対応していない名作ゲームもまだまだ多いのが現実。
そこで登場するのが「RTX HDR」です。この機能は、AIの力でHDR非対応のゲームや動画を、強制的にHDR映像へと変換します。Windowsのデスクトップ画面さえも色鮮やかに変えてしまうこの機能を使えば、『原神』や『ペルソナ5』のようなSDRゲームも、まるで最新のAAAタイトルのようなリッチな色彩で楽しめます。
一度体験したら、もう元の環境には戻れない。まさに「世界が変わる」機能です。
これまたAmazonプライムやNetflixなどの配信サービスでもブラウザ上なら適応可能!!

これがON時とOFF時の差です。FSRもHDRも両方ONならON、OFFならOFFです。
HDRの方は参考程度ですが、VSRの方は圧倒的に違いがわかると思います。
シャープネスがかかっているようなくっきりした映像になっていますね。
【使えるグラボ】GeForce RTX 20シリーズ以降(RTX 30/40シリーズでは、より高品質な処理が可能です)
【VSR】
- NVIDIAコントロールパネルを開く
- デスクトップで右クリック → その他オプションの確認→ 「NVIDIAコントロールパネル」を選択します。
- VSRを有効にする
- 左側のメニューから「ビデオ」→「ビデオ イメージ設定の調整」をクリックします。
- 「RTX ビデオ強調」という項目の中にある「超解像度(Super Resolution)」のチェックボックスを オン にします。
- 品質を自動、1(低)~4(高)で選択できます。まずは「1」から試し、PCの負荷に応じて調整するのがおすすめです。
- 設定を適用
- 右下の「適用」ボタンを押せば設定完了です。
- 以降、ChromeやEdgeなどの対応ブラウザで動画を再生すると、自動的に機能が適用されます。
適用されていると再生している動画の右上にRTXVSRの透かしが入ると思います。
【HDR】
この機能を使うには「HDR対応モニター」が必須です。
- WindowsのHDRを有効にする
- Windowsの「設定」→「システム」→「ディスプレイ」を開きます。
- 「HDRを使用する」のスイッチを オン にします。
- NVIDIAコントロールパネルでRTX HDRを有効にする
- デスクトップで右クリック → その他オプションの確認→ 「NVIDIAコントロールパネル」を選択します。
- 左側のメニューから「ビデオ」→「ビデオ イメージ設定の調整」をクリックします。
- 「RTX ビデオ強調」という項目の中にある「HDR(ハイダイナミックレンジ)」のチェックボックスを オン にします。
- 設定を適用
- 右下の「適用」ボタンを押せば設定完了です。
- 以降、ChromeやEdgeなどの対応ブラウザで動画を再生すると、自動的に機能が適用されます。

適用時はこの画像右上のような、インジケーターが出ます。
GeForceは、もはやゲーマーだけのものではありません。AIと高度な映像処理技術を駆使し、動画視聴から日常のデスクトップ操作 、そしてもちろんゲームプレイに至るまで、PCを取り巻くあらゆる体験を革新する力を持っています。
あなたのGeForceに秘められた、まだ使っていない機能を有効にするだけで、PCライフはもっと快適で、もっと刺激的なものになるはずです。さあ、今すぐ設定を見直して、GeForceの真価を体験してみてください。
ちなみにVSRの方は4Kに対応してないモニターでも使用できます!!
さあ、今すぐNVIDIAコントロールパネルを開いて、あなたのGeForceの隠れた力を解放しましょう!

私の使ってるモニター(4KHDR対応)はこちら